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もう逃れられない!?社会保険の強制加入


 先日の日刊紙で掲載された「社会保険未加入事業者への全件調査」という記事、ご記憶の方もいると思います。社会保険とは、健康保険・介護保険(協会けんぽ等)と厚生年金のことで、いずれも雇用主と従業員で半分ずつ支払うべき保険料です。法人の場合は社長1人から、個人事業主は従業員を原則5人以上雇用している場合は加入する義務があります(※)。これが、雇い主にとって結構キツイ負担になっています。

 月給30万円の従業員1人に対して月額8万3214円が納めるべき保険料となり、労使それぞれで4万1607円ずつを負担します(40歳未満/埼玉県)。賞与を考えないとして、月給30万円の従業員を雇うためには年間で50万円が追加で必要ということになります。給料の高い社長自身分も加え、何人か従業員がいたら、おそらく年間の利益が吹き飛んでしまう額になってしまうことでしょう。

 一方、従業員自身も手取り額が同額減ることになります。遠い将来の年金受給額が増えることよりも「今の生活が厳しい・・・」と考える若者は多いため、従業員自身も加入に対して消極的なケースもあるようです。このように、社会保障制度本来の相互扶助の精神からはかけ離れて、税金と同様の“強制的な”負担金として認識されています。

  さて、記事の内容を要約すると、

・未加入の疑いのある事業者数は約79万件(全国の大企業を除く事業者総数は380万件)

・厚生年金の加入資格があるのに国民年金を払っている人が全国に推計で約200万人

・今後マイナンバーを活用し、国税庁より従業員に給与を支払っている事業者の情報提供を受ける

・まずは調査票を通じて実態をあぶりだし、悪質な企業には立ち入り検査を実施して強制加入させる方針

というものです。

sakura

 

 検査を拒否すると罰則もあり、強制的な調査があると最悪2年間遡って強制加入させられます。我々の関与先でも従業員からの通報が発端となり、この遡り強制加入を強いられた事業者がいました。この場合、従業員から過去2年間分の自己負担額をもらうことはなかなかできないですよね。

 私自身も社保加入は義務であるものの、納税と比べると優先順位は低いという認識でしたが、これを改めなければいけないようです。仕事柄、法人設立に立ち会うことは多いですが、その時に社会保険の新規適用事業所を届け出た記憶もありませんでした(もっとも社会保険労務士の領域ですが)。

 これまで、熊谷年金事務所などからピンク色の封筒で案内を受けられている方もあると思います。これから、中小零細企業の中には社会保険の加入により収支の均衡が崩れ、事業の継続が厳しくなる方も出てくるかもしれません。しかし、多くの同業他社が義務として加入していることも事実です。こうした企業から見たら、賃金のベースが違っていることは、公平な競争環境を阻害することにもなります。まだ加入していない事業者の方は、調査票について真摯に回答すること、そしてどうすればこの社会保険料を事業から捻出することができるのか、我々と一緒に悩み、考えていきましょう。

 ※個人事業の場合、サービス業の一部だと何人雇用していても加入義務はありません

お知らせ

 今年度の省エネ補助金の概要が公表されました。補助金額は50万円~上限1億円(負担額の3)、省エネ効果の高い「LED」「冷蔵庫」「ボイラー」等です。公募は4月22日(金) 必着です。設備予定がある方は、お早めにメーカーにご確認ください。