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平成28年11月のトピックス

産業別最低賃金って何??

 毎年10月に地域別最低賃金の改定がありますが、今年も全国で増額改定されました。全国で平均25円増額し、平均最低賃金は823円となっています。その中で、埼玉県の最低賃金は845円となっており、全国で4番目に高い金額です。

 また、地域別最低賃金(都道府県単位で決定される最低賃金)とは別に産業別最低賃金(各都道府県の中で決定した業種に限り地域別とは別に設ける最低賃金)があり、産業別最低賃金は毎年12月頃改定があります。各都道府県によって対象業種が異なりますので、厚生労働省のホームページをご確認ください。なお、地域別・産業別のどちらにも当てはまる場合、高い方の最低賃金を適用することとなっています。

 

 近隣都県の地域別最低賃金とその推移および産業別最低賃金は下表のとおりとなっております。

 ここで、最低賃金で働いた場合の実際の給与を計算してみたいと思います。埼玉県の地域別最低賃金で法定労働時間(週40時間)働いた場合、845円×40時間×52週÷12月=146,466円/月となります。この金額から社会保険料等が差し引かれるので、手取り額は110,000円位になります。生活環境も様々ななか一概に判断することはできませんが、人一人が独立して文化的な生活をすることを考えると、決して多い数字ではないことは確かだと思います。

 

 日本の雇用は、主たる生計維持者が正社員=月給であり、生計補助者がパート・アルバイト=時給であるというものでしたが、近年の傾向で、主たる生計維持者でもパート・アルバイトの時給で働いていることが多くなり、「最低賃金の増額」と「同一労働・同一賃金」という賃金制度の流れが強まっています。

 

 顧問先の皆様も、この改定を受けてパート・アルバイトの時給単価の見直しや、従業員の残業単価等の見直し(最低賃金に抵触していないか等)が必要になります。

 

 一方で埼玉県内において、利根川を挟んで北関東三県(平均768円)と隣接する県北地域と、東京(932円)と隣接する県南地域で同一の地域別最低賃金が設けられているのは釈然としません。例えば、行田や大利根の小売店が競業するのは群馬や茨城の同業者であり、人件費の差(最低賃金の差額分77円=845円―768円)は商品価格に転嫁せざるを得ないとした場合、公正な競争とは言えないでしょう。都道府県単位ではなく、もっと生活圏や商圏に沿って、地域の実情に目を向けた細分化が必要に思えるのは、私だけでしょうか。