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令和4年度の代位弁済の実態

埼玉県信用保証協会 令和4年度実績

 

  件数 前年比 金額 前年比
 新規保証債務 18,756件 121.7% 2,831億円 134.8%
 保証債務残高累計 125,229件 97.5% 1兆4,668億円 94.2%
 代位弁済(元利) 1,356件 152.5% 143億円 156.4%

 

 埼玉県信用保証協会の発表では令和4年度の代位弁済は、1,356件、143億円で、件数では467件増加(対前年比152.5%)、金額で51億円(対前年比156.4%)の増加でした。

 

 

各地信用保証協会の発表(代位弁済の件数及び金額)

 

信用保証協会 件数 前年比 金額 前年比
東京 4,194件 154% 515億円 158%
大阪 2,355件 140% 351億円 145%
北海道 1,265件 207% 126億円 233%
千葉 1,265件 129% 184億円 141%

 

 全国ベースでは令和4年度の2月(11ヵ月間)までの累計で、件数で前年比186%、金額では190.4%となっています。

 

 

 

 令和4年度の代位弁済実績は「ゼロゼロ融資」を取り扱った令和2年度以降で初めて増加に転じました。新型コロナウィルス感染症の影響の長期化に加え、資源価格の高騰の影響により事業継続が困難となった事業者が増加したものと思われます。
 円安・物価高と中小企業・小規模事業者を取り巻く環境が依然として厳しい状況の中、令和5年度は「ゼロゼロ融資」の返済据置期間が満了となる企業が相当数に上ること、また、無利子期間も満了となることから、金融面・経営面での不安を抱く事業者が多いものと懸念されます。 


 代位弁済とは、保証協会の保証付きで融資を受けて、その返済が出来なくなったときに、同協会が金融機関に代わって弁済をする制度ですが、その言葉や意味だけを見ると、保証協会が一度は借金を肩代わりしてくれる便利な制度に見えるかもしれません。しかし、実際のところは借金が減るわけでもなく、むしろこれまで以上に厳しい条件での返済を迫られてしまうケースもあります。代位弁済が行われた時点で、良くない状況に追い込まれているという自覚を持たなければなりません。
 代位弁済を回避する一番の方法は、借入を計画的に利用する以外ありませんが、万が一返済が難しい状況になってしまったら、現在置かれている状況や今後の取り組みなどについて、貸主に対し早め早めの相談を心がけましょう。