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所長のコラム -Vol.29-

真夏の夜の夢

 

 先日TVで野球観戦をしていたところ、確か横浜スタジアムではなかったかと思うのですが、大きく“辻・本郷税理士法人”の看板が目に飛び込んできてビックリしました。これを見て多くの方はどう思うのかなと気になりました。そうわが業界もこういう時代、宣伝を通じて大きな事務所に顧客が集中する、つまり2極分化、弱肉強食の時代になりつつあるのだと実感した次第です。

 

 我が事務所(税理士法人こうの会計、及びこうの経営グループ)も時代の波に飲み込まれて泡のごとく消えてゆくのか、そこから雄々しく立ち上がって確固たる地位を築きあげるのか、今、その岐路にあるのだと感じています。

 時代の波とは、1.インボイス制度導入による記帳義務の厳格化、2.電子帳簿保存法、電子申告やマイナンバーカードに見られるような、国家をあげてのIT化の流れ、3。事業承継税制等、複雑化・長期化する税務上の取り扱い、4.各種補助金等の情報を求める顧客の声、5,経営支援に生かす会計データの提供、等々・・・。

 解決策は強力なブレーン(頭脳集団)とこれを実践できる質の高い部隊を持つこと、そして個人プレーに走らない組織化された運営ができること、でしょうか?

 辻・本郷税理士法人は全国に85の支所(5~10人?規模の地域の会計事務所、全国792ある市の10%強)を展開し、支所で手に負えない課題は中央のスタッフが解決する体制をとっていると思われます。税理士法人レガシーは相続・相続対策に絞っていますが、全国の会計事務所に一緒にやりませんかと呼び掛けています。

 さて、そんな中で地域に根差した単体の会計事務所としていかに生きてゆくか。それは辻・本郷やレガシーに遜色のないブレーンとスタッフを育成し、日々の業務の中で辻・本郷に負けないサービスを提供し、難しい課題に対しても、外部の手を借りることがあるかもしれませんが、しっかりと対応できる体制をつくり、身近で頼りになる会計事務所であり続けることにあると思っています。それには優秀な人材を採用し、余裕をもって研究開発に勤しめる体制を構築し、職員教育を徹底してどこに出しても恥ずかしくないスタッフを育成し、属人主義ではない組織で立ち向かえる体制を作り上げることであると思っています。

 コロナも5類に移行し、さてこれからという時に、客足が戻らず、電気料金や資材の高騰、賃金の上昇、そしてコロナ対策で借入れた借金の返済と幾重にも重なった苦難にあえいでいる経営者も多いことと思います。暑くて眠れぬ夜を悪い夢にうなされて目が覚める、それは誰もが経験する経営者の宿命でしょうか。

 でもここから何とか這い上がり、大きく羽ばたいて欲しい、そんな願いを込めて、残暑まだまだ厳しい中、お見舞い申し上げます。