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所長のコラム -Vol.27-

会議を見直そう!

 

 昔、青年会議所というところで教えられました。会議のルールもさることながら私の前の理事長から、『会議には準備が大事だ。この提案をすればこういう意見が出てくるだろう。誰々はこういう意見を言うに違いない。それに対してはこう反論するんだ云々・・ということを事前にじっくり考えておくことだ。そうすれば皆を納得させることが出来、会議は成功する』と。青年会議所というのは、会員資格は40歳まで、その名のとおり会議を通して成長することを主眼とした人生道場の一種であると自分は理解して当時活動していました。

 

 ところで日々会社内で行われる会議のなんと貧弱なことでしょう。何も考えずに集まり、思い付きで発言し、あるいは社長なり上司に忖度して、おかしいんじゃないかと思っていても何も発言しないで賛成してしまう・・・、会議とはお互いに納得して、さあやるぞ!と意欲を高める場の筈なのですが・・・。

 

 また今は総会シーズンですね。企業や各種団体が年に一度の総会で、決算やら予算の審議をします。又役員改選の是非を問うたりします。私もいくつかの総会に顔を出しますが、そこで思うことはまず会議の参加者が同じ土俵に立っていない、ということです。株主総会や各種団体でも議題と議事要旨は2週間(又は1週間)前に送ることになっていますね。そうでなくても、議長はまず議題の趣旨を十分に説明しなければなりません。なぜこれを提案するのか、何を審議してもらいたいのか云々・・。

 

 一方参加者もただ受身で臨んでいたのではダメです。日々課題解決に考えを巡らせ、自分の意見を持って会議に臨む姿勢が必要でしょう。又提案者も参加者も声高に自分の意見だけを押し通そうとする態度はいただけません。そういう人はアウトです。

 

 

 最近モーサテ(TV東京のモーニングサテライト)に登場した前ソニーCEO(最高経営責任者)平井一夫氏の言葉を興味深く聞きました。彼は連続4期赤字の会社を立て直したことで知られる著名な経営者ですが、こんなことを述べていました。要約すると・・・

 

 『昇進・昇格して部長や社長になる人は仕事ができる人でしょう。どういう風に仕事をやればいいのか、常に考えてそれを実践していくIQの高い人でしょう。でもその地位に抜擢された要件と、その地位(リーダー)に求められることは全く違うのです。それはEQ(心の知能指数)とでも言えるものです。部長だから偉いのではないのです。社長だから偉いのではないのです。30年会社にいるから偉いのでもないのです。人間としてリスペクトされていて始めてリーダーシップは発揮されるのです。それは相手に如何に共感できるか。相手にとってこの状況がどう見えているのかを理解する能力です。・・・』

 

 平井氏はリーダーとして会議を重ねる中で、方針を変更しながら、社員と力を合わせて改革し、難局を乗り切り、会社を成長軌道に乗せてきました。今日のソニーの隆盛は彼の賜物でしょう。その具体例を語る紙面はありませんが、会議の重要性を改めて認識させていただいた次第です。