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所長のコラム -Vol.30-

祝・阪神タイガース

 

 プロ野球には12球団があり、それぞれに熱烈なファンがいて、今年は悔しい思いをしている方も多勢いると思われる中で、私的なことで恐縮ですが、セ・リーグ阪神の優勝を祝いたいと思います。今から50年以上も昔、バッキー・村山実・江夏豊という強力投手陣を擁しながら、最後の最後、巨人の厚い壁に阻まれて今一歩優勝できず、悔しい思いを続けていた頃、いつも負け犬根性を抱えて生きてきました。一時、バース・掛布・岡田・真弓という強力打撃陣の下、優勝したこともありましたが長続きしませんでした。今年18年ぶりの優勝、これは今までの優勝とは違う、単なる勢いやスーパースターの誕生などとは何か違う優勝に、心からの祝杯を上げたいと思うものです。

 

 この優勝は岡田監督の采配のたまものであると思います。

Ⅰ 彼は、四球を価値あるものとして年俸査定のポイントをあげるよう球団に申し入れたそうです。結果どうなったか? 四球が増えたのである。打率は昨年と比べて変わらないのに得点が増えたのである。(四球:チーム全体・299(昨年度)→ 475(9月23日現在)、主な打者・大山 59→ 93、近本 41→ 66、中野18→ 56、木浪 5→ 30、総得点:489(昨年度)→ 536(9月23日現在))ここからは素人の推測である。仮にボールカウント3-2の時、投手はきわどいところに投げて打ち取ろうとするでしょう。これをヒットにできる確率は優秀な打者でも30%、ぐっと堪えて四球にする確率は50%かもしれません。又打者は四球も頭に入れて打席に立つため早打ちしない。この結果、相手投手は球数多く投げることになり疲弊するのではないでしょうか。

 

Ⅱ 12球団ワーストのエラーの数を減らすため、守備位置を固定しました。その守備位置のエキスパートになれ、というわけです。その結果は昨年度のチーム失策数86(西武と日ハムも86)が79に減っていますが(△7)、今年の数字は後8試合残っているので顕著な成果があったとは言えませんが、守備の負担軽減は打率にも影響するとも言われています。

 

Ⅲ 監督は試合後のインタビューを通じて選手に適格な感想を伝え、又時には、直接選手に語り掛けています。青柳が登板前、今日負けたら己の後がない、と緊張している様子が見られたら「気楽に投げて、野球を楽しもう」と声を掛けたり…。

 このベースには2軍の練習場にも頻繁に足を運び、選手全員の状況をよく観察していたと報じられています。2軍で結果を出している選手がいれば、躊躇なく本戦に出場させたりしています。これはどの監督もやっていることでしょうが、コーチ陣に任せきりにしない、という姿勢は評価したいと思います。又、中野をショートからセカンドにコンバート、これは本人の能力を見極めた適材適所の結果と言えるでしょう。