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所長のコラム -Vol.33-

新年を前にして

 

 いつまでも終わらないウクライナ戦争とイスラエルのガザ地方への侵攻による住民への無差別攻撃。暗澹たる気持ちで新年を迎えようとしています。人間のもつ攻撃性、闘争本能は昔も今も変わらないのだとつくづく思います。イスラエルのガザへの侵攻は、そもそも国連決議(1947年)を無視したパレスチナへの領土拡張の流れの中にあります。他国の領土を奪い、イスラエル人が入植し、そこから生まれる大量のパレスチナ難民、今も続くこの惨状に世界は見て見ぬふりをしてきました。これがハマスを生み現在の紛争へとつながっています。少しばかり明るいニュースといえば、ミャンマーの軍政に対し、立ち上がった少数民族と民主化勢力が各地で勝利を収めつつある、ということでしょうか。いづれにしても歴史は血ぬられた歴史であります。もっともらしい理由はいくらでもつけられるでしょう。曰く、自衛のため、民族自決のため、平和な社会をつくため・・・、結局、地球規模で単一国家ができるまで国家間・民族間の殺し合いは続くのでしょう。そうなる前にこの地球が消滅してしまうかも知れませんが。

 

 翻ってこの日本は平和ですね。安全で平和な日本、豊かな日本、便利で風光明媚な日本・・・おや待てよ、それにしては日本人は幸せそうじゃないなー。なぜだろう。

 

 経済的に格差が開いて貧しい人が増えている、6~7人に1人は相対的貧困(生死にかかわるほどの貧困である絶対的貧困ほどではないものの、社会の大多数よりも貧しい状態にある人々)だと言われています。そのせいとは言いませんがオレオレ詐欺だの、ネット詐欺だの、だましてお金をむしり取ろうという輩が増えています。用心しなきゃという気持ちを人は常に持っていますね。 人口減少で人は集まらず、働き方改革で残業できないのに仕事量は前と変わらない。追い詰められて心を病む人も増えていると聞きます。一方、法律や制度が社会のニーズに合わせてかどうか知りませんが年々複雑になり、それに対応するために仕事量は増え、ない頭(知恵)を絞らなければなりません(どうも役人は頭が良すぎて困るなー)。それに政府が推進するデジタル化が拍車を掛けます。心を病み、宗教に救いを求める人も増えているのでしょうか?ありもしないあの世を信じて何が救われるのでしょうか?

 旧統一教会に対して信教の自由を盾に財産保全の策も取れない政府(このままでは何百億が韓国に流れてゆくことになるでしょう)、イスラエルに断固たる意思表明ができない政府。円安で物価高にあえぐ中小企業、簡単に辞めてゆく従業員を前に、人が集まらず呆然としている中小企業の経営者たち。 嗚呼!


 暗い新年のあいさつになりましたが、今年も宜しくお願い申し上げます。