経営者であれば誰もが考える『業容拡大=売上アップ』にとって今はチャンスであります。何故そう言えるのか?
最近こんな事がありました。「今年の確定申告、うちの先生まだ提出できていないのです。言ってもなかなかやってくれないので、あきれて断ることにしました。」そうして当事務所に駆け込んできたという訳です。それも1件や2件ではないのです。思うに人手が足りず、頑張ってもやり切れなかった、ということでしょう。同業者のことですからよく分かるのです。でもこれは我が業界に限ったことではありません。多くの企業が人手不足なのです。「人手さえあれば仕事がとれるのに・・・。」こんな嘆きが聞こえてきます。と言うことは人材獲得競争なのです。経営者であれば誰もが頭を悩ませていることとは思いますが、今は人材獲得競争の時代なのだと深く認識しなければなりません。でもただ入社させればよいというものでもありません。一方ではどんどん辞めてゆきます。中には退職代行会社を通じて電話一本で辞められてしまうこともあります。悲しいですね。そこで良く話し合って入社してもらうこと、入社後も一人一人に寄り添い、その人の人生を応援してあげるという姿勢が求められているのかなと思います。それに常に余裕のある人材を擁しておくことでしょうか。
もう一つの理由は『IT人材』の育成です。政府も4月から高校の授業にプログラミングやデータ分析等を学ぶ『情報Ⅰ』なる科目を必履修としました。来年度の大学入試共通テストでは、数学・英語などと並ぶ必須科目となります。ただ彼ら彼女らが大学を卒業して社会人となるのは4年後?です。世の中は急速にIT化に向けて進んでいくでしょう。ITを使いこなせる人がいなければ企業に明日はない、と深く認識しておく必要があると思います。
最後に、少子高齢化の時代、後継者が見つからず廃業が増えると予想されます。廃業といっても経営資源や人材がいない訳ではありません。もちろん赤字ではありません。そうM&Aによる業容の拡大です。あなたの会社が買収する側に立つということです。そういう時代の到来が、チャンスが目の前に現れているのです。
ここまで読まれた皆さんは、そんなことは分かっている、その方法が分からないから悩んでいるのだ。その方法を教えてくれ、と言われるかもしれません。丁度講演で『ダム式経営』の必要性を説いた松下幸之助氏に対し、「そんなことは分かっている、どうすればそうなるのか教えてくれ。」と言った会場からの質問と同じですね。幸之助氏は「そんないい方法、私も知りません。」と答え会場は嘲笑に包まれました。そんな中後ろの立見席で聞いていた稲盛和夫氏は『ダム式経営』に心から感動し、何としてもそうしようと心底思ったそうです。如何ですか。その方法は皆さんが自分で考え、そうしたいと強く願わなければ、何事も成就できないということです。(『高収益企業のつくり方』稲盛和夫より)