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所長のコラム -Vol.13-

コロナ後の経営、過剰借入への対処

 

 コロナはやがて収束するでしょうが、あるいは収束しないまでも、コロナとうまく付き合いながら(ウイズ・コロナ)、経営を回してゆかねばなりませんし、コロナで傷んだ経営を立て直さなければなりませんね。

 

 まず過剰借入になっていないか見直してみましょう。一般論ですが、借入が年商の   6ヶ月分以下であれば問題ありませんが、具体的には返済計画を立ててみることをお勧めします。

 

 ところで返済の原資は何でしょう。専門用語で恐縮ですが「営業キャッシュフロー」  です。つまり通常の営業活動で産み出されるキャッシュが返済の元手です。3年で返済  できれば問題なし、5年以上かかる様であれば、更に突っ込んだ計画が必要になりますね。つまり5年以上となると今の設備も古くなるし、経営環境も変わってきますね。これらに対応した設備投資、資金の流出も計算に入れておく必要が出てきます。これを「投資   キャッシュフロー」と言いますが、これは常にマイナスです。この「投資キャッシュフロー(マイナス)」と「営業キャッシュフロー(プラス)」を合わせたものが「フリーキャッシュフロー」で、これが返済の原資となります。

 

 ※「営業キャッシュフロー」が万一マイナス(赤字経営)であれば、これは早急に経営改善の対策を立てねばなりません。

 

 何やら難しいなと感じた方は会計事務所に問い合わせて下さい。過去3期分の「営業  キャッシュフロー」は即座に提供できます。「投資キャッシュフロー」は経営者が考える  分野ですね。ところで「フリーキャッシュフロー」では返済できないとなれば次の段階、「財務キャッシュフロー」に進みます。いわゆる資金繰り、資金政策ということになります。ここは増資、リスケ、資本ローンの導入など専門家の意見も取り入れながら立案すべき分野だと思います。どうぞ当事務所の専担者にご相談下さい。

 

 以上、返済計画の話を中心に見てきましたが、コロナ後の経営については、返済の有無に関わらず見直す必要がありますね。ロシアのウクライナ侵攻や円安による輸入物価の 高騰、コロナによる物流の停滞など、いわゆるコストアップ要因は目白押しですが、これを商品価格に転嫁できるか、又は生産性の向上で吸収できるか・・・等々、経営者には   厳しい時代ですね。しかしここからが経営者の腕の見せどころ、経営手腕が問われることになるでしょう。どうすれば「営業キャッシュフロー」を増やせるか、どこに投資をすればこれからの荒波を乗り切ってゆけるか・・・全てが貴方様の腕に掛かっているのです。

 

 コロナを契機に廃業が増えております。一方ではM&Aも盛んに行われています。経営者には長期的な視点も求められていると言えるでしょう。