今年のゴールデンウィークは人によっては10連休でした。皆さんは如何お過ごしになられたでしょうか?私の場合はカレンダー通り、2日は出勤、世間に倣って兄弟と一泊旅行(伊豆)にも行きました。残り6日は家の草取りと散歩に精を出し、又孫たちとのバーベキューやら若干の雑務もありました。そして余った時間で読んだ本の話をしたいと思います。
前半は神話の世界、その最後に登場するイワレビコから話が俄然面白くなります。 「東方に美しい国があり、青い山々が四方を囲んでいる」、そこを目指し天下を治めようと兄(イッセ)らと相談し、日向の国(宮崎県)から軍団を擁して東方への旅に出ます。まず岡田宮(北九州)に行き、そこから瀬戸内海を東へ進み大阪湾に入り、川をさかのぼって白肩の津に到着します。4年以上(日本書紀)を費やした苦難の旅です。そこで地元の豪族ナガスネヒコとの戦いに敗れ、兄を失い、迂回して吉野に上陸、陸路奈良に入り、イワレビコは初代天皇(神武天皇)になるという話です。紀元前30年頃の出来事ですが、年代も航路も今では科学的に証明されていると著者は根拠を示して述べています。
日本のドラッカーと言われた経営コンサルタント、一倉定氏の最初の著作です。今では常識となったダイレクト・コスト(変動損益計算書)で経営を見なければダメだ、と警鐘を鳴らした本です。
この本の最後の章で、「人は自分のために働くのである、働きにくる人がほんとうに働きにくる目的を達することができるように、経営者のほうで気を配ってやることが、働きにくる人には一番の励みになるのである」という本田宗一郎氏の言葉を引用し、その処方箋を述べています。
間接人員を含めて、一人当たり2000万円を稼ぐ(売上)というのは、わが業界としては夢のような話ですが、顧客が増えても職員も増えるわけで、一人当たりの稼ぎ高は一向に向上しない、従って給与は一向に上がらない、というジレンマに悩む経営者の一人として、切実な思いで読んだ本です。
著者は1940年生まれの82歳、健在ですね。副題『日本人の給料はなぜ上がらない のか?』、現状を鋭く分析し警鐘を鳴らしたもので、納得感満載の本でした。